ジョージ・オーウェル
「1984」
すべてが監視され、
思考さえも管理される世界
ディストピア小説の最高傑作として知られるジョージ・オーウェル『1984』。本書は、圧倒的なリーダビリティを備えた新訳版で、思想家・内田樹による解説を収録しています。
1984年、世界は〈オセアニア〉〈ユーラシア〉〈イースタシア〉という三つの国家に分割されていました。オセアニアでは、ビッグ・ブラザー率いる一党独裁制のもと、市中に「ビッグ・ブラザーは見ている」と書かれたポスターが掲げられ、国民はテレスクリーンによって24時間監視されています。
党員として働くウィンストン・スミスは、この絶対的な統治体制に疑念を抱き、体制転覆を目指すとされる〈ブラザー連合〉に関心を寄せるようになります。やがて彼は、美しい党員ジュリアと親密な関係になり、隠れ家で密かな逢瀬を重ねるようになります。
つかの間、自由と生きる喜びを噛みしめる二人。しかし、その先に待っていたのは、冷酷で絶望的な罠でした。国家による支配は、行動だけでなく、言語や記憶、思考そのものにまで及んでいきます。
1949年の発表直後から、本作は東西冷戦下の世界情勢を反映する作品として爆発的な支持を獲得しました。1998年には「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」、2002年には「史上最高の文学100」に選出され、思想・芸術をはじめとする多くの分野に今なお影響を与え続けています。
ジョージ・オーウェル:1903年生まれ。イギリスの作家・評論家。全体主義や権力構造を鋭く批評した作品で知られ、『動物農場』『1984』はいずれも20世紀文学を代表する名作として読み継がれている。





