中村文則
「彼の左手は蛇」
出版元 :
河出書房新社
定価
¥1,760
単価
/
利用不可
禁忌と信仰、
暴力の根源へと踏み込む手記
「つまり言いかえれば、これはテロの書だ。」その一文から始まる本作は、作家・中村文則が発表した長編小説です。著者にとって新たな代表作とも位置づけられる、強度の高い物語が展開されます。
三ヶ月前、男は仕事を辞め、女性と別れ、世界から失われた蛇信仰が残る土地へとやって来ました。平家が落ち延びたと伝えられるその地で、彼は誰にも読まれないはずの「手記」を書き始めます。
自分が人ではないと感じていた幼少期の記憶、有志による毒蛇狩り、白蛇を祀る神社と謎の宮司、蛇を求める女、ある議員の死を追う刑事、ロー・Kと名乗るビジネスマン、そして「Apep」。断片的な出来事が絡み合いながら、物語は静かに核心へと近づいていきます。
信仰、暴力、テロ、記憶。中村文則作品に通底する主題が、これまで以上に切実なかたちで描かれ、人が行為に至る根源が問い直されます。不穏さと静謐さを併せ持つ語りが、読む者の内側を深く揺さぶります。
中村文則:1977年愛知県生まれ。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。『遮光』で野間文芸新人賞、『土の中の子供』で芥川賞、『掏摸』で大江健三郎賞、『私の消滅』でドゥマゴ文学賞、『列』で野間文芸賞を受賞。世界各国で翻訳され、現代文学を代表する作家の一人として評価されている。
▶ 関連動画を見る(出版社公式/著者インタビュー)
中村文則『彼の左手は蛇』刊行記念動画
中村文則「彼の左手は蛇」



