勾留先・収容先の調べ方

逮捕・勾留された方の家族や友人・恋人・関係者にとって、
どこの施設に収容されているのか分からない
という状況に直面することは少なくありません。

日本の刑事手続きでは、逮捕されたあとは本人から自由に外部へ連絡できないため、
まずは、どの施設に勾留・収容されているかを特定することが、
差し入れや面会を行うための第一歩になります。

逮捕直後は、本人が当番弁護士を呼び、弁護士を通じて連絡が届くケースもあります。
一方で、外部からは状況が分からず、家族や関係者が勾留先を調べるケースも少なくありません。

収容先は、逮捕直後(警察署の留置場)・起訴後(拘置所)・刑が確定したあと(刑務所)で変わります。このページでは、それぞれの段階ごとに調べ方をまとめます。

まず、いまできること
  1. 事件があった地域の警察署に電話し、留置管理課につないでもらう。
  2. 本人の氏名(フルネーム)・生年月日・ご自身との関係・逮捕日を伝えて、そちらに留置されているかを尋ねる。

逮捕される前に本人と連絡が取れていた方は、そのとき聞いた警察署の名前から始めてください。詳しくは下の「1」でご説明します。

逮捕からおよそ72時間は、勾留するかどうかを決める手続きの期間にあたります。この間は面会ができず、差し入れも受け付けられない場合があります。


1. 逮捕直後の一般的な流れ

逮捕された被疑者は、原則として、事件が発生した地域を管轄する
警察署の留置場に収容されます。

ただし、次のような理由により、別の警察署に収容されることがあります。

  • 留置場が満員の場合や、設備のない警察署である場合。
  • 女性は、女性用の留置施設がある警察署へ収容されることがあります。

逮捕されると、72時間以内に、検察官が勾留請求を行い、裁判官が判断します。

その結果、勾留が認められた場合は、
警察署の留置場で、最長で23日間、身柄を拘束されることがあります。

※ 23日間は、逮捕された日から数えた最長期間です。

逮捕の前に、本人と連絡が取れていたとき

逮捕は、いつも突然その場で行われるとは限りません。
「話を聞きたい」と任意同行を求められ、警察署で取り調べを受けたあとに逮捕されるという流れも、よくあるかたちです。

この時点では、まだ逮捕されていません。そのため、本人から連絡が入ることがあります。
「これから◯◯署に行く」「今日は帰れないかもしれない」。
ご家族が最初に事態を知るのは、この電話やメッセージであることが少なくありません。

このとき聞いた警察署の名前が、いちばん確かな手がかりです。
まずは、その署に問い合わせてください。

思い出せることを、書き出しておく
  • 本人が最後に連絡してきたときに言っていた、警察署の名前
  • 自宅や職場に来た警察官が名乗った所属(◯◯警察署 ◯◯課)
  • 家宅捜索を受けた場合、その場または後日に渡される「押収品目録交付書」。担当した警察署名が記載されています
  • 逮捕された日時と、そのとき本人がいた場所

ただし、任意同行された警察署と、逮捕後に留置される警察署は、同じとは限りません。
留置場の空き状況などによって、別の署に移されることがあります。
最初の署でわからなくても、そこで終わりにせず、次の「2」の手順で確認を続けてください。

2. 勾留先がわからない場合の調べ方・確認方法

① 事件のあった地域の警察署へ問い合わせる

警察署の代表電話から、
留置を担当している部署(留置管理課・刑事課など)につないでもらい、
「◯◯(本人の氏名)が現在収容・留置されているか」
を問い合わせます。

家族であれば、判断のうえで
収容の有無や施設名を教えてもらえることがあります。
ただし、捜査状況や個人情報保護の観点から、
必ず回答されるわけではありません。

電話では、こう伝えます 「留置管理課をお願いします。」 (つながったら)
◯月◯日に逮捕されたと聞いている、◯◯ ◯◯(フルネーム)の家族です。生年月日は◯年◯月◯日です。そちらに留置されているか、教えていただけますか。」
答えてもらえないこともあります。そのときは「別の警察署に移っている可能性はありますか」と続けて尋ねると、手がかりが得られることがあります。

問い合わせる際に、家族・関係者が伝えるとよい情報:

  • 収容されている本人の氏名(フルネーム)
  • 本人の生年月日
  • 問い合わせている人と本人との関係性
  • 逮捕日
  • 事件が起きた地域

可能性のある警察署を順に確認することで、
収容先が特定できる場合もあります。

② 弁護士を通じて確認する

弁護士は警察・拘置所に直接照会・接見できるため、
勾留先を把握するもっとも確実で迅速な確認方法です。

逮捕された本人が希望すれば、当番弁護士を呼ぶことができます。
その場合、弁護士を通じて家族へ連絡が届くこともあります。

当番弁護士とは
逮捕された本人が希望すると、逮捕後すぐに1回だけ無料で弁護士と面会できる制度です。

この弁護士は、本人の依頼により家族や関係者へ連絡を行うことがあります。
そのため、逮捕直後に家族へ連絡が届くケースの多くは、当番弁護士を通じたものです。

参考: 日本弁護士連合会|当番弁護士制度

③ 裁判所・検察から通知が届く場合

勾留決定後、
本人が希望した場合に限り、
家族1名に対して、裁判所や検察から
勾留先に関する通知が届くことがあります。

ただし、必ず通知が行われるわけではなく、
実際には届かないケースも多いため、
他の方法とあわせて確認するのが現実的です。

3. 起訴されたあと ── 拘置所へ移されます

起訴されると被告人となり、多くの場合、警察署の留置場から拘置所(拘置支所)へ移送されます。

移送先は、起訴した裁判所の管轄区域内にある拘置所であることが一般的です。
ただし、収容状況によっては、そのまま警察署の留置場に留め置かれることもあります。

この段階では、弁護人がついています。私選・国選を問わず、被告人には弁護人が付きますので、
移送先を確認するもっとも早い方法は、弁護人に尋ねることです。

本人から手紙が届く場合もあります。起訴後は接見等禁止が解かれることもあり、
連絡が取りやすくなるケースがあります。

4. 刑が確定したあと ── 刑務所へ移されます

刑が確定すると、いったん拘置所で10日ほどの調査を受けたのち、刑務所へ移送されます。

収容される刑務所は、住所地や本籍地では決まりません。
犯罪傾向、男女の別、刑期の長さ、犯罪の内容などによって振り分けられるため、
ご家族の住まいから遠い施設になることもあります。

この段階が、いちばん調べにくくなります

収容先の刑務所は、ご家族にも、刑事裁判のときの弁護人にも通知されません。

また、弁護人の職務は判決の確定によって終わります。
そのため、この段階では弁護士に尋ねても分からないのが通常です。

収容先を知る方法は、本人からの手紙を待つことです。
受刑者は収容後に手紙を出すことができます。差出人の住所として施設名が記載されますので、そこではじめて分かります。

収監される前に、聞いておけることがあります。
実刑が確定してから収監されるまでには、期間が開くことがあります。
その間に連絡が取れるようであれば、収監される予定や、分かっている範囲の予定先を確認しておくと、
あとで探す手間がかかりません。

※ 収容後も、施設の事情や処遇の段階に応じて、別の刑務所へ移送されることがあります。
差し入れの前には、いちばん新しい手紙の差出人住所をご確認ください。

⚠ 重要:公開されている勾留先情報はありません

勾留先が分からない場合でも、
「公開されている逮捕データベース」や
「誰でも検索できる収容者一覧」のような仕組みは存在しません。

警察や検察が、
本人やご家族以外の第三者に対して、
自動的に勾留先を通知・照会する制度はありません。

そのため、起訴されるまで、および裁判中については、弁護士を通じて確認する方法が最も確実で現実的です。 弁護士がどのような役割を果たすのかについては、 弁護士のサポートと役割をご覧ください。

いっぽう、刑が確定したあとは弁護人がいなくなるため、上の「4」のとおり、本人からの手紙を待つことになります。

⚠ 差し入れ・面会時の注意

  • 接見禁止決定に注意
    裁判官が「接見等禁止決定」を出した場合、
    家族であっても、原則として面会ができなくなります。
    ※ 差し入れ(本・服など)は、接見禁止でも受け付けられる場合がありますが、
    施設や判断により制限されることがあります。
  • 勾留中の移送にも注意
    勾留決定後に、 警察署や施設の事情により、別の施設へ移送されることがあります。
    差し入れや面会の前には、勾留・収容先が最新の情報かを再度確認してください。
  • 逮捕から勾留決定までのタイムライン
    逮捕後およそ72時間は、勾留するかどうかを判断するための手続き期間にあたるため、
    一般の面会はできないのが通常です。
    差し入れについても、この期間は受け付けられない場合があります。