猪瀬浩平
「野生のしっそうー障害、兄、そして人類学とともに」

出版元 : ミシマ社
定価 ¥2,640

整えすぎられた世界に、
風を通すための記録。


知的障害と自閉症のある兄の「しっそう(失踪/疾走)」をきっかけに、著者は家族という最も近い関係の中にあった、言葉にならない断絶と違和を辿り直す。
障害をめぐる制度や支援の外側で、兄はどのように世界と関わっていたのか。
そして、障害の「ない側」にいるとされてきた自分自身は、何を見落としてきたのか。

本書は、文化人類学の視点を携えながら、
家族・障害・ケア・自立といった言葉が持つ輪郭を、内側から静かに揺さぶっていく。
理解することよりも、わからなさの中にとどまり続けること。
その姿勢そのものが、読む者に問いとして残る一冊である。

猪瀬浩平:文化人類学者。明治学院大学教養教育センター教授。見沼田んぼ福祉農園での活動をはじめ、障害・ケア・ボランティアをめぐる実践と研究を長年にわたり行ってきた。

書誌情報
発売日:2023年11月23日
仕様:単行本(四六判並製変形)
ページ数:304ページ
サイズ:約188 × 130 × 24 mm