坂上香
「プリズンサークル」

出版元 : 岩波書店
定価 ¥2,200

「懲らしめる」から「更生」へ。
118年ぶりの刑法大改正と、ある刑務所の記録


2025年6月、日本の刑務所制度は大きな転換期を迎えました。明治以来続いてきた「懲役」が廃止され、一人ひとりの特性に合わせた教育を重視する「拘禁刑」へと舵が切られたのです。

この大きな変革の先駆けとなった場所があります。それが全国に4箇所ある官民協働(PFI方式)の刑務所のひとつ、島根あさひ社会復帰促進センターです。

ここでは、受刑者たちが輪(サークル)になって対話を重ねる更生プログラム「TC(回復共同体)」が実践されています。日本で初めて刑務所にカメラを入れ、その対話の場を記録したドキュメンタリー映画が『プリズン・サークル』。

10年を超える取材期間を経て結実した映画は、今も配信されず全国各地で上映され続けていますが、本書は監督の坂上香がその映像のさらに先までを記した一冊です。

これは単に刑務所についての記録ではありません。語り合うことの可能性、そして沈黙を破ることの意味やその方法を考えるための記録です。

埋もれていた自身の傷に言葉を与えようとする瞬間。償いとは何かを突きつける仲間の一言。書籍版では、映画では映しきれなかった現場の裏側や受刑者との深い対話、そして彼らが歩んできた背景がより克明に掘り下げられています。

加害者という重い十字架を背負った裏側にある、一人の人間の苦悩と、再出発の可能性。人は本当に変われるのか。答えを探すための対話が、ここにあります。

なお、島根あさひにおけるPFI方式としての運営は、期間満了により2026年3月末に終了します。制度が新しくなった今こそ、この場所で紡がれた言葉を私たちは問い直さなければなりません。

坂上香:ドキュメンタリー映画監督・作家。刑務所や更生、加害者の内面に焦点を当てた作品を制作し、社会的対話を促す活動を続けている。

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書誌情報
発売日:2022年3月24日
仕様:単行本(ソフトカバー)
ページ数:334ページ
サイズ:18.8 x 12.8 x 2.2 cm

※本書は刑務所内の教育プログラムを扱うノンフィクションですが、施設によっては「保安上の配慮」等により内容の確認が行われる場合があります。

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